勉強時の付き添いにて
いつも首肩こりで来院される女性。この日は肩こり以外も、倦怠感や胃痛も訴えてました。
触ってみると、腹部やウエストラインが硬く、とても痛がります。
原因不明なので、日頃から前かがみ姿勢やウエストをひねる動きを繰り返していないか確認
したところ、「もしかしてアレかなぁ」と話し始めました。
原因は不安定な姿勢

この方は小学生のお子さんのお母さんで、宿題など勉強時は横で一緒に見てあげているそうです。
横に並んで見ていると、体ごとお子さんに向ければいいのですが、つい上半身だけお子さん側へ
ひねったり、片側のお尻を持ち上げて前のめりになったりしてしまうとのことでした。
毎日のことなので、このような姿勢を継続すれば背中や腰の痛みを起こしたり、前のめり姿勢は
腹痛や胃痛を引き起こす原因になります。
このような姿勢から、今回要因となるのは腹筋群と横隔膜、そして骨盤のねじれです。
腹筋群

腹筋群は腹部の前面と側面を覆っていて層になっていて、腹直筋と腹斜筋と腹横筋に分かれます。
腹筋群は肋骨から骨盤へ付着し、身体を前方に曲げる・ひねる・横に曲げるなど一体となって
機能し、過度な反り返りを防ぎ背骨を安定します。
また、出産や排便などの「いきみ」・嘔吐・咳やくしゃみなど圧力(腹圧)を提供します。
上部や中部の腹筋群が疲労し硬くなると、胸やけ・膨満感・胃腸障害を誘発します。
下部の腹筋群が疲労し硬くなると、排尿コントロールが乱れトイレが近くなったり、生殖器痛や
生理痛を誘発します。
足を鋭角に曲げる姿勢や背中が丸まる姿勢は、腹筋を過度に縮めますので注意しましょう。

横隔膜

横隔膜は、肋骨内側から上部腰椎に付着し、ドーム型に付着しています。
呼吸時に、肺を縮めたり膨らましたりするために胸腔内圧をコントロールしています。
咳やくしゃみが長期間続いたり、運動など過度な呼吸は横隔膜を使い過ぎて疲れさせます。
横隔膜が疲労すると、みぞおち沿いや背中に痛みを誘発します。
勉強に付き添う時は姿勢に注意
お子さんの勉強に付き添う時、つい上半身だけねじった姿勢で教えたり、お尻を浮かせて中腰姿勢に
なったりしがちですが、これでは体に痛みを誘発する原因となります。
お子さんの正面に座るか、横に座る時は自身の体ごとお子さんに向けてください。